神奈川フィルハーモニー管弦楽団 打楽器奏者の平尾信幸氏監修による、
2020年 全日本吹奏楽コンクール課題曲 楽曲別・推奨楽器のご紹介です。
課題曲Ⅱ 龍潭譚
- 【グロッケンシュピール】
- ★アダムス・アーティストシリーズ・ AD-GAT33
この曲では、グロッケンシュピールが大変重要な役割を担っています。豊かで長い余韻とレゾネーターとダンパーペダルの機能を合わせ持つこのモデルが、繊細で高い音楽性が要求されるフレージング等を強力にサポートします。
- 【バスドラム】
- ★フィルハーモニックシリーズ PBA3620PBST、PBA3620ST
29小節からの迫りくる深い闇の足音、70小節からの地鳴りを思わせるロールと心臓の鼓動等、大太鼓の真の実力を問われる場面でフィルハーモニックシリーズ36"×20"の上質で重厚なサウンドが抜群の効果を発揮します。
- 【コンサートトム】
- ★フィルハーモニックシリーズ"RFP"モデル PTRP1008D 〜 PTRP1614D
歌舞伎のお囃子で“風”や“波”を表す太鼓のように意味深に使われているトム。この場面ではダブルヘッド"RFP"モデルをお薦めします。
余韻が止まるほど張りすぎず、自然で豊かなサウンドに設定した後、好みのサイズをチョイスしましょう。
【ビブラフォン】
★アダムス・コンサートモデル AD-VCWV300G または AD-VCWV300S
【フィンガーシンバル】
★セイビアン SAB-FCL
【スレイベル】
★パール・スレイベル SB-25L
【サスペンド・シンバル】
★セイビアン・アーティザンシンフォニック VL-18AS
★セイビアン"HHX" HHX-18S
【合わせシンバル】
★セイビアン VL-20ASML、VL-18ASMH
【タムタム(ゴング)】
★セイビアン・ゾディアックモデル28インチ SAB-ZOG28
【シロフォン】
★アダムス・ソリストシリーズシロフォン(4オクターブ) AD-XS1HV40
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平尾信幸先生からアドバイス 〜課題曲に挑戦するみなさまへ〜
楽器を選ぶにあたり、その選択肢の多さに戸惑ってしまうという方も多いと思います。このラインナップの多彩さについて考えてみましょう。
楽器に限らず音楽全般に渡り、各時代ごとに流行があったことはご理解いただけると思います。
例えばスネアドラム。小太鼓が中世ヨーロッパの戦場における“情報伝達機器”から、オーケストラで人気の定番楽器に定着した頃、ドイツの職人によって生み出されたクライネトロンメル(ドレスナーと呼ばれるタイプ)が長い間、小太鼓のスタンダードでした。
時を経て、時代は20世紀から21世紀となりました。
音楽のジャンルやスタイルの多様化や化学技術の進歩など、音楽取り巻く環境は飛躍的に進歩してきました。
時代を生き抜いた、多くの作曲家や演奏者と優秀な製作者の情熱と努力と探求心が新しい楽器を次々に生み出してきました。
言ってみれば、現在のパール楽器のラインナップは楽器史の生き証人であり、様々な音のニーズに対応できる証でもあります。
皆さんの好みに加え、作品の楽曲分析や作曲家の経歴から、どんな音をイメージしているか等を想像するのも、楽器選びのひとつのヒントになるのではないでしょうか。