神奈川フィルハーモニー管弦楽団 打楽器奏者の平尾信幸氏監修による、
2019年 全日本吹奏楽コンクール課題曲 楽曲別・推奨楽器のご紹介です。
課題曲Ⅱ マーチ「エイプリル・リーフ」
今年はタイプの異なる行進曲が3曲ならびました。そのトップバッターがこのマーチ「エイプリル・リーフ」。第二次大戦後の昭和青春歌謡曲のような爽やかで感動的な作品です。
吹奏楽の基本中の基本である小太鼓・大太鼓・シンバルのリズム隊による定番中の定番パターン“※下記画像”。行進曲はもちろん、考えてみればポルカなどの舞曲の流行、オペラコミック、オペレッタからアメリカにわたりミュージカルとなり数々のヒット曲が生まれましたが多くのメロディーがこの基本リズムのうえにあったのは着目すべき点ですね。「オクラホマ」「サウンドオブミュージック」「王様と私」「マイフェアレディ―」然り“踊りあかそう”“ドレミの歌”などは誰でも知っている名曲。戦前戦後の昭和歌謡曲の中の心に残る名曲多くもこのリズムに乗って、人々を感動させ勇気づけてきました。「東京ラプソディー」「りんごの歌」「高原列車は行く」「青い山脈」などあまたの名曲は当時の銘打楽器奏者、名ドラマーの名演奏に支えられてきたのです。物資や情報が限られている中で当時の名人達の音作りリズムづくりに対する努力、苦労は如何ばかりだったでしょうか。このリズムパターン。簡単そうでなかなか奥が深く、21世紀の現在でも一朝一夕に身につくものではなく個々のトレーニングの積み重ねが必要なのは変わりませんが、良いサウンドの楽器を選ぶ選択肢は劇的に増えています。
☆スネアドラム
小編成を想定したこの作品、初級レヴェルの打楽器パートも少なくないかもしれません、そんなバンドに(勿論上級者にも)お薦めしたいのがコンサートシリーズスネアドラム(CRPL1450S/C)です。この楽器の扱い易さ、演奏し易さ、バランスの良さは全Pearlスネアのラインナップの中で群を抜いています。あらゆるジャンルの音楽にも対応しますし、しかもこの価格!中高生にとってピアノ、ピアニッシモのダイナミクスで機敏な動きやロールはなかなか難関ですね。フォルテ、フォルティッシモでバンド全体のバランスを壊すことない音色作りも大変。そんなダイミクスの調整に気を取られる事なく演奏に集中しやすい一品です。こだわりの上級オタクプレーヤーにはそれぞれラインナップされています。
「ノーミュートでも余韻を極力抑え、とことん響き線の音をタイトにプレーしたい」そんな望みにはフィルハーモニックリファレンス(PHRF1455S/C)。20世紀には実現できなかった超硬質な楽器。
美しく澄んだ太鼓の響きとピュアな響き線の音の品の良い上質なブレンド感が好みの人にはフィルハーモニックピュア(PHTV1455S/C)。
誰も驚かない、誰も気づかないさりげない高級感、そんな定番スネアサウンドはマスターズ“MRS”(MRS1455S/C)
☆バスドラム
定番リズムの基礎の基礎となる前打ち。マーチにおけるバスドラのサウンドは、演奏の良し悪しを決定する重要な楽器です。この曲には編成にかかわらず32㌅が合うと思います。
フィルハーモニック・シリーズ“プレミアム”(PBA3218PBKST)は特にお薦め。カーフスキンの極上の音色はバンド全体のサウンドクォリティーをアップさせると思います。