神奈川フィルハーモニー管弦楽団 打楽器奏者の平尾信幸氏監修による、
2019年 全日本吹奏楽コンクール課題曲 楽曲別・推奨楽器のご紹介です。
課題曲Ⅳ 行進曲「道標の先に」
古典的、正統派8分の6拍子マーチとはやや違って、どこかポップなイメージがあるこの作品。4拍目に重心を感じるシャッフル系ロックの香りがする明るく楽しさ満載のマーチ。
ミッキーマウスマーチ、ミュージカル「ミュージックマン」のなかの“76本のトロンボーン”、私の世代だと昭和40年代人気だった日テレのバラエティー番組「ゲバゲバ90分」のオープニングテーマ(宮川泰作曲)などを彷彿させるポップなマーチとなっています。
あまりお行儀の良い機種よりもオープンなサウンドの楽器が似合う気がします。
☆シンバル
今年度の課題曲の中で最もシンバルが活躍する曲です。細かな動きでかなり印象に残る使われ方をしています。煌びやかとか伸びがあるサスティーンとかの対局にあるシンプルな音色が合うように思います。アーティザン・エリートはトルコ行進曲時代の伝統的な製造法に最新の技術を取り入れた新製品をラインナップしました。ベートーベンの第9交響曲やベルリオーズの“ラコッツィーマーチ”などにピッタリのモデルで、この曲のアクセントやⓒ、Ⓓの3拍目の8分音符の演奏に適した一押しのシンバルです。エッジ部分の加工はHHXモデルと同じでピアニッシモの演奏もとても驚くほど楽になります。より演奏し易い軽さが欲しい場合は、AAヴィニーズをお薦めします。
☆スネアドラム
オープンなスチールシェルが基本だと思います。センシトーン・エリート(STE14575SC)
STA1465S、STA1465BR、などを基本に考えてはどうでしょう。Ian Paiceモデル(IP1465)も面白いかも…逆に明るくドライな行進曲らしいサウンドが欲しい場合はカスタムクラシック“マーチ”(CL1440SNM/C)。正統派マーチサウンドを求める方にお勧めします。
☆バスドラム
フィルハーモニック・シリーズはもちろん素晴らしいですが、メタルスネアのオープンなサウンドに合わせて、コンサート・シリーズ(PBB3618)の力強くシンプルなサウンドが1960年代のノスタルジックな雰囲気を醸し出して個性を重視するバンドには御薦めです。