以前、東京交響楽団首席奏者の相澤政宏先生による、楽器に関するコメントなどをご紹介しましたが、その中で冒頭に出てくるマエスタ10Kについて、我々製作側の狙いを少しお伝えしようと思います。
相澤先生のコメント「10KのC足って総銀より吹きやすいんですね!軽いし鳴らしやすい。いろいろな表現が楽にできますね。」は、正にその特長を端的に表しています。
かつてのハンドメイド9K金製をご存知・ご所有されている方もおられるかと思います。
いわゆる遠鳴り感を更に求めた結果、10Kの採用(Handmade "Gold"として1995年より販売開始)となり、現在のマエスタ10K金製に続いています。
(かつての9K金製が楽器として劣っているという意味ではありません。誤解なさらぬようお願い致します。)
管厚0.3mmは、総銀の0.4mmに対して金素材の華やかな音色をより表す設定になっています。
金の魅力の一つ、低音での明確かつ、まろやかな深みのある響きも残しつつ、あくまで明るく優雅なサウンドを特徴としています。楽器はプレーヤーをあくまでリラックス、柔らかく吹くのをサポートし、プレーヤーに託すという、奏者&楽器のバランスを重視するパールの考え方は、このモデルにも活きています。
写真は、1995年のカタログです。