ABOUT

レモの歴史

レモの物語は、第二次世界大戦後、デュポン社のポリエステルフィルムであるマイラー® の実験から始まりました。

マイラー® は戦時、夜間偵察機の耐熱フィルムとして使用されていたことから、優れた耐久性と耐候性があり、さらにドラムにおいてはそれまで実現できなかった優れた音程、音色、幅広い音域、サウンドの一貫性が得られるなど、当時すでにプロのドラマーとして成功していたレモ D. ベリに興味を抱かせました。

そして、そのフィルムとフープの固定方法についてはレモは当時、解決が困難な課題に直面していましたが、とりわけ「粘着性」に詳しい化学者サム・マックニックに相談したところ、アルミニウムで作ったフープの溝にフィルムを通すユニークなシステムが考案されました。フィルムの端に小さな穴を空け、そこに接着剤（現在はポリウレタン）を入れる。接着剤がアルミニウムとフィルムの間を通り、乾燥すれば接着剤がフィルムを効果的にアルミニウムに留めて破れるのを防いでくれるのです。その後もさらに改良を重ねて、デュポン・マイラーのフィルムに熱を加えて帽子のような形のヘッドを作り、ドラムシェルの上にかぶせて、フィルムの浮き沈みを防ぐことになりました。この方法がレモ・ウェザーキングの基本的なマウントシステムとなり、その結果、耐久性、耐候性を備えた理想的なサウンドを実現したドラムヘッドが誕生したのです。

そして現在に至るまでレモは革新を続け、パーカッショニスト、オーケストラのティンパニストからマーチング、そしてジャズ、ブルース、ロックまで、ほぼすべてのカテゴリーにおいて、世界のドラムヘッドのスペシャリストとなりました。Controlled Sound™、Pinstripe®、Smooth White™、Powerstroke®、Fiberskyn®、Suede®、Renaissance®、Nuskyn®、Skyndeep®、Comfort Sound Technology™、Starfire® など、レモの製品に見られる新しいラミネート、プロセス、コーティングにより、ドラムヘッドの技術革新はかつてないほどの高みに到達したのです。近年ではカラーヘッド、消音ヘッド（Silent Stroke）、グラフィックヘッドなど斬新なコンセプトの製品も登場しています。

レモはまた、持続可能な製造を何より大切にしています。レモは業界で初めてカーフスキンに変わる合成プラスティックヘッド、またフィルム技術とAcousticon® シェルを使った伝統的なウッドパーカッションシェルの代用品の開発、販売に成功しました。

環境への影響を最小限に留めつつ、ドラムヘッドとそのテクノロジーの限界を広げること、それこそがRemoのミッションです。

FILM

REMO が採用しているフィルムの種類

マイラー

マイラーフィルムは1954 年にデュポン社により製品化されたフィルムの商品名で、引っ張り強度、曲げに対する強度も高く、また透明性が高く、水濡れや薬品等による損傷および破れや裂けなども少ないなどの特徴を持っています。最大の特長は、これらの性質が-60℃から150℃という広い温度領域で損なわれることなく安定的であるという点にあります。マイラーが持つプラスティックフィルムとしての様々な優れた性能により、ドラムヘッドとして使用すると、優れた音程と音色、サウンドの一貫性、そして高い耐久性が得られます。

メリネックス

マイラー同様、デュポン社のプラスティックフィルムで、レモヘッドでは” スムーズホワイト” モデルに採用。マイラーと比べてわずかにタイトな響きとなり、ツブ立ちの良さを実現します。

ファイバースキン3

マイラーフィルムに対してポリスパンファイバー（繊維）を表面にラミネート（高熱接着）したモデルです。やや厚みのある仕上がりとなり、ウォームなトーンと高い耐久性を発揮します。

テクノーラ

マーチングスネアヘッド”Max” シリーズに採用。高強力、引張強度、耐摩耗性を実現した素材です。弾力にも富み、自然なリバウンドが得られます。

ケブラー

マーチングスネアヘッド”Falams” シリーズに採用。防弾チョッキにも使われるほど高い強度を持った素材です。

REMO 工場でマイラーフィルムを加工して製造されるモデル

スエード

マイラーフィルムをベースに表面、裏面にスエード加工を施したシリーズです。

ルネッサンス

スエードモデルの表面と裏面に特殊コーティングを施して表面を滑らかに加工したシリーズです。

レモヘッドの構造とその特徴

レモ・ステップデザイン

フィルムとカウンターフープが可能な限り接触しないように、ここにレモ独自の「STEP（ステップ）」という段差構造が採用されています。

①この部分をあえて湾曲させることで叩いた時のフィルムの振動を大きくさせ、シェルに振動を伝えるエネルギーを最大化します。

②フィルムがカウンターフープに限りなく接触しない構造となっているため、フィルムの振動を妨げません。

③アルミ枠の中はポリウレタン樹脂で満たされ、フィルムの振動エネルギーを限界までカウンターフープに伝えることができます。

チャンネルロック方式

ウェザーキング

多くのドラムヘッドに採用。フィルムの端には多数の穴が空けられ、アルミ製チャンネル（枠）の溝に充填されたポリウレタンと一体化することによりフィルムが固定されます。

クリンプロック

マーチングテナードラムのハイテンションチューニングに対応するロック方式。ウェザーキングのフィルムロック部分を延伸したアルミニウムで包んだ強化型チャンネル。

ファラムチャンネル

マーチングスネアのような非常にハイテンションのチューニングに対応。スチール芯にフィルムを巻き止め、肉厚のアルミチャンネルでクリンプロックする方式。

インサートリング（ティンパニヘッドに採用：アルミ製）

フープの真円度、強度を保つため、そしてヘッドに均等にテンションを与えるためウェザーキング仕様にリングを追加してロックした方式。音程にシビアなティンパニ用ヘッドに採用されています。

ドラムを多彩に演出するカラーバリエーションの紹介

エボニー

マイラーフィルムを黒く染めたタイプ。バスドラムのフロントヘッドやマーチングバスドラムヘッドに採用。

スターファイア

クロームおよびゴールドカラーの反射素材を採用し、強烈なビジュアルを発揮。やや厚めのフィルムでサウンドを引き締める効果も。

カラーヘッド（ColorTone）

Skyndeep Technology により様々なカラーを実現したモデル。
Orange, Yellow, Red, Green, Blue, Smoke, Pink, Purple の全8色。

オリジナルモデル

コーテッド・JP（アンバサダー／エンペラー）

< コーテッドヘッドの品番末尾に-00 >
以前、コーテッドヘッドのグローバルモデルは、クリアフィルムをベースにしたタイプ（品番末尾が”-00″）に変更になりましたが、国内で人気が高かったスムーズホワイト（メリネックス）フィルムをベースにしたタイプは”-JP”モデルとして変更前の仕様で現在も継続
販売しています。

スエードティンパニ（アルミインサートリング使用）

カスタムヘッドの表面のみスエード加工を施し、音替えのスムーズさと耐久性を発揮します。ティンパニのボリューム、サステインを増大させつつ、ブレンド感に優れたサウンドを発揮します。

アンバサダーX テナー

AmbasadorX14 のオリジナルフィルムを使用し、1 プライ構造でありながら14mil というエンペラーに匹敵する厚みを持たせることにより、音の伸びに優れたマーチングテナーヘッドです。

ピンストライプX（ドラムセット用／マーチングテナードラム用）

ヘイジークリアフィルム7.5mil の2プライ構造（15mil）を採用し、従来のピンストライプ(14mil=7mil+7mil）に比べてやや厚く、最大級の耐久性とボリュームを発揮するモデルです。

LOGO
～ Pearl ロゴの有無をご指定いただけます～

ドラムセットヘッド　（-BS、-WS モデル）
バスドラムフロントヘッド用でロゴ入りをご希望の場合には品番末尾に-BS（黒色ロゴ）、または-WS（白色ロゴ）とご指定ください。
例：パワーストローク3 スムーズホワイト 22″ パールロゴ入り：P3-222B-BS

コンサート＆マーチングヘッド
コンサート＆マーチングヘッドでパールロゴがプリントされていないモデルの場合は品番末尾に「-00」をご指定ください。
例：パワーマックス・エボニー16″ パールロゴ無し：PM-416B-00

REMO ヘッド
ベーシック・バリエーション

厚み
2mil（約 50 μ m）	スネアサイド・ディプロマット（例：114SD）
3mil（約 75 μ m）	スネアサイド・アンバサダー（例：114SA）
5mil（約 125 μ m	スネアサイド・エンペラー（例：114SE、ST-114（スキントーン）ベースフィルム
7mil（約 180 μ m）	Emperor “-00” の 1ply
7.5mil（約 190 μ m）	Diplomat、Emperor（”-00″ 以外）の 1ply
10mil（約 250 μ m）	Ambassador
12mil（約 305 μ m）	Ambassador X
14mil（約 355 μ m）	Ambassador X 14 クリアバリエーション Hazy ／ Clear コーテッドバリエーション　JP ／ 00
※1mil ＝ 1/1000 インチ＝ 0.0254 ミリ